女のみち

  • KEI
  • 2010.08.14



今日のちょっと切ない話。




深夜0時の帰宅途中。

ボクの前を歩く若きサラリーマンが、携帯電話で誰かともめている。

聞くともなしに聞いていると、どうやら電話の相手は「彼女」のようだ。

まあ、痴話喧嘩ですわ。

いいですね、若い人は。

などとひとりごち、歩みの遅い彼を追い抜こうとしたが、彼の放った次の言葉を聞いて踏みとどまった。

「…だから違うんだって、サザエ。」



……サザエ。


え?

もしかして、アンタ。

マスオ?

初めて見た!

リアル・マスオ!

折りしも、週末の深夜0時。

「フグタ君、この後一杯どう?」とアナゴさんに誘われた赤ちょうちんからの帰りとして相応しい時間帯。

 

……いやいやいや、そんなバカな。

念の為、今しばらく聞き耳を立ててみることにする。



「……大体さ、サザエの考え方が~」



言った!

マスオ確定!


……いやいやいや、そんなバカな。

この現代日本にあって「サザエ」という名の女性が存在するわけがない。

いや、絶対いないとは言えないかもしれないけれど…。

いないでしょう、やっぱり。

とすれば、当然あだ名ということになる。

よかったよかった。



とはいえ。

若くして「サザエ」というあだ名をつけられ、なおかつ彼氏にまでそう呼ばれてしまう女の人生を思うと、少しだけ切なくなった。

なので。

いまだ「サザエ」をなじり続けている彼を追い越す瞬間、

「この ニセマスオ が!」

と呟いてみた。





K E I


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